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2019-02-14 17:35:00

大切な仲間

以前、参加した心理学のワークショップで、

ファシリテーターから聞いたお話で、印象に残っているものがあります。

 

それは、 自分が好きになれない、自信がない、と思っている方は多いけれど、

不快な自分も、良い自分も皆、自分の体の中の臓器なのだと考えれば、良いというもの。

 

身体は色んな臓器で成り立っています。

 

心臓や肺、胃腸、肝臓、腎臓etc・・・ 色んな臓器があってこそ、生きていられるのだし、

それぞれの役割があるのだから、 どれが気に入らないからって、取り出すことはできないですよね。

 

そう考えたら、どんな臓器でもいないと困るわけです。

 

ここで私、学生の時に習った恒常性(ホメオスタシス)の話を思い出しました。

 

 

恒常性とは、内外部の環境の変化に関係なく、状態を一定に保ち、生存を維持する性質や状態のこと。

 

具体的には、体温調節や、ウイルスなどの異物を排除しようとしたり、

傷を修復するなど、それはもう、一生懸命に立て直しを図ってくれてるもの。

 

悪いものから自分を守って、健康を維持しようとする素晴らしい力なのです。

 

そもそも、自分自身で解決できる力は皆、持っているということです。

 

 

何かが起こった時、自分を元気で良い状態に戻そうとする仕事には、

嫌な臓器(嫌な自分)も必要なのです。

 

 

大切な自分の応援団なのですね。

 

 大切な仲間

2019-02-10 15:24:00

悪い虫

日本では、乳幼児の夜泣きや、かんしゃくは、

体の中にいる「疳の虫」が、悪さをするからだ、という言い伝えがありました。

 

実際に、現在でも虫封じのおまじないや、祈祷をする、お寺や神社もあるようです。

 

あくまでも、困りごとの原因は「虫がいる」事であり、虫によって夜泣きや癇癪などの問題がおこっているという考えです。

だから、それを退治すれば問題は解決するということですね。

 

まさしく、これ、問題の外在化と言えるのではないでしょうか?

 

外在化とは、問題を当事者から切り離し、対象化して問題解決のためにアプローチする方法です。

簡単に言えば、その人自身と問題を切り離すということです。

 

何かが原因で、その行為が起こったということなので、

本人を否定することのない、優しい方法ともいえますよね。

また、何が問題なのか?が焦点化されるので、解決方法も見つけやすくなります。

 

 

私達、多くの人は、何かと自分をつなげて考えてしまうことがよくあります。

 「○○で○○なダメな私」などです。

内面的な問題と、その問題が内在化されている状態です。

 

 

問題を問題としてとらえる事こそが問題で、本当は、人が問題ではなく、

問題となるものが問題だと気づくことができると、とても楽になれます。

 

また、焦点化されることで、具体的な解決方法がわかったりもします。

更に、問題と思われていたことは実は、問題ではなかった・・

という事に気づくこともあるかもしれません。

発達障碍を持つ子どもさんや、育てにくいと感じる、お子さんに対しても同じ事が言えると思います。

 

 

疳の虫のお話に戻ると、

成長していく過程で必要な虫であると知ることで、疳の虫を退治、することばかりでなく、

その虫と上手く付き合っていく術を身に着けることもできます。

 

子どものせいでもなく、親の育て方のせいでもない。

親自身が安心し、落ち着いて子育てに望むことが、子どもにも伝わり、

結果、安定していくという相乗効果を生み出すのです。

 

誰のせいにもしない、虫退治・・

 

実は深くて優しいセラピーともいえると感じます。

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2019-02-03 17:19:00

怒り

思春期の子ども達は、

親に「心配をかけたくない」「迷惑をかけたくない」と思っているようです。

 

親からしてみると、え~??普段あんなに、わがままなのに??と思ったりもしますが、

実は子どもは子どもなりに、親には気を使っているようです。

そして、気をまわしすぎてもいるとも感じます。

 

1人で何とかするから大丈夫。これ以上、親には迷惑をかけたくない、という言葉が保健室でもよく聞かれました。

 

家庭という外から遮断された空間の中で日々起る出来事を、目の当たりすることで、

子どもなりに感じることのようです。

また、自立と依存の狭間にある時期、特有の課題ともいえるのかもしれません。

 

 

ただそこに「ありのままの私ではいけないのだ」という思いが見え隠れすることがあります。

 

○○ができない自分はダメな子

悪いのは自分

 

目に見える形、評価が愛される基準になりやすい現代、ありのままの自分を認めてもらえることで得られる、

安心感を持っている子どもが少ないように感じます。

 

 

少し時間を戻して、今よりもっと小さな子どもだった時期。

子どもが、生きていくためには、親や大人からの世話や愛情が必要です。

とはいえ、自分の要求が全て通らない事は当たり前にありますし、それを学ぶことで人は成長していきます。

 

問題になるのは、

子どもらしい、ふるまいをすることを禁止される、

甘えたい時に甘える事が許されない、

泣いたり怒ったりの感情を表出することを禁止される等、

自己の存在の否定につながるような、満たされない経験が継続する環境です。

 

その満たされない思いは、心の奥に、ひっそりとしまいこまれます。

 

何故なら、親に愛されないと感じることは、小さな子どもにとっては、

自己の生命の存続に関わる危険な状態であり、恐怖でもあるからです。

 

そこで、子どもは、恐怖を感じないために、自分に原因があるのだ自分が悪いのだ、

と思うようになります。

本当は、親の非情ともいえる言動に対して、怒りだってあるはずなのに・・・

 

親に向ける怒りを、自分自身に向けることで恐怖を感じないようにしたのかもしれません。

安全に安心に生きていく環境を作るためには、自分を悪者にする方が簡単だったからです。

 

それは自分を守る、何とも切ない方法ともいえるでしょう。

 

大人になっても無意識にしまいこまれたその思いは、人間関係の問題として現れてくることがあります。

 

相手から拒否され傷つく事を恐れるため、自分を偽り、他者の評価を気にしすぎてしまう等、

周囲に振り回される感覚を持ちやすく、疲れてしまいます。

 

そして、自分は何に困っているのか?何をしたいのか?がわからない、

自身の感情や感覚に鈍感な状態は、生きづらさを生みます。

 

更には、親と同じような深い愛着対象(恋人や夫、子どもなど)ができると、

抑えこまれていた、この部分が浮上してくることがあります。

 

 

私は・・・・

愛されていないのではないか?

見離されてしまうのではないか?

嫌われてしまうのではないか?

 

 

過去の恐怖を感じる出来事が再現されることで現れてくる、

相手に対する攻撃性、自分に対する攻撃性です。

 

 

「怒り」は、あなたに知ってもらいたい事を、気づかせるためにでてきます。

 

好ましくない感情の代表ともいえる「怒り」を大切に扱っていく事で、得られるものがあります。

 

 

それは、あなたが、これからの人生を、楽に生きるために繋がっている事なのです。

 

怒り

2019-01-27 12:23:00

バイタルサイン

バイタルサインと言えば、医療や介護に関わる方には、わかる医療用語の1つ。

 

生命兆候を意味するもので、基本として4つの測定がある。

それは、呼吸、脈、血圧、体温。

 

今日は、その中の呼吸について書いてみようと思う。

 

 

気持を落ち着かせる時は、深呼吸をするとか、流行のマインドフルネス瞑想等

呼吸に意識を向ける方法を活用している方も多いかもしれない。

 

 

呼吸は、

吸って吐いてのワンセット。

 

寄せては返す波のようなもの。

 

 

それに、ただただ意識を向けていく。

 

普段は、無意識に行わる呼吸だが、敢えて意識化することで、

心を落ち着かせる方法の1つとなる。

 

 

 

私は、今、どんな呼吸をしているだろう?

今まで、患者さんの呼吸を観察することはあっても、自分の呼吸を感じることはなかった。笑

 

 

呼吸を観察することは、自分を観察すること。

自分の中で何が起こっているか?に気づく、始めの1歩ともいえる。

 

 

今、ここで起る一瞬の出来事としての呼吸。

空気を取り入れて吐き出すという、単調な繰り返し。

 

 

息を吐ききると、次は、自然に息を吸い込んでいることに気づくだろう。

 

 

新しい呼吸が始まり、それは、繰り返されていく。

 

 

 

「呼吸」は、生理的な機能、命の源でもある。

 

 

生まれたばかりの、赤ちゃんは、お腹の中での生活を終え、

産声をあげることで、自分の呼吸が始まる。

 

まさしく、この世に生まれた証明ともいえる。

 

 

 

自分の呼吸を意識することは、

「私は今、ここに、存在していること」を確認することでもある。

 

 

日常で起る様々な出来事、他者との関係性で起る問題や葛藤、

自分に起る感情に巻き込まれそうな時、

 

 

他者と自分を分ける方法として、

自分に立ち戻る方法として、

自分を助けてくれるものとして、

私を確認するものとして、

頼りになる有難いものだと感じる。

 

 

あなたは、今、どんな呼吸をしていますか?

バイタルサイン

2019-01-13 17:07:00

ただただ眺める

瞑想をベースにプログラムされたマインドフルネス

色々な方法があるけれど、私がしているのは呼吸法。

 

呼吸に意識を向け、自分の内面で起きている事に気づく力を高めていくというもの。

科学的根拠もあり、欧米では医療、教育、企業分野で続々と取り入れられているストレス対策の1つ。

 

私たちは、心配しても仕方ない事を心配しすぎたり、すでに終わった過去を考えていたりと、

頭の中の思考に常に巻き込まれている状態でもある。

 

マインドフルネスとは「今、ここ」でおきていることを、感じ受け止めること。

 

それによって心は静かになり、不安や恐れから解放され、心にエネルギーがたまっていく。

 

自分の内面で起きている事に、気づく力が高まると、自分と思考や感情との間にスペースが空き、

今まで無意識に反応していた事を、自覚できるようになる。

 

しかし、実際に呼吸だけに集中するのは、最初は難しいことでもある。

 

今ここにない先の事や、過去の事をはじめ、

集中しなくては・・とか、こんなことして何になるの?

私には向いてないんじゃないか?とか・・

色々な思いや気持ちが次々に浮かんでくる。

 

でも、それは当たり前、悪い事ではない。

 

 

湧いてくる思いや感情を消去しようとしないことが大切。

それを、川に浮かぶ葉のように、自然に流れていくのを眺めること。

そして、また、呼吸に意識を戻していく。

何回でも・・・

 

快も不快も必ず通りすぎる事。

感情に巻き込まれずに「自分を俯瞰して見る」ようになれる練習なのだ。

 

 

少し離れた場所から自分を眺められることができるようになると、

未来や過去からのストレスは減り、心はフラットな状態にいられるので楽になる。

 

 

更に、その静けさを得る事で、自分の中にある、意識されなかった力や宝に、

触れていくことにも繋がる可能性がある。

 

 

良いも悪いも、感情は自分自身が作り出すもので、

それに、最初に影響される人は、自分なのだという気づきは、

 

自分の人生を生きていける、という、自由の始まりでもある。

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