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大切な仲間
以前、参加した心理学のワークショップで、
ファシリテーターから聞いたお話で、印象に残っているものがあります。
それは、 自分が好きになれない、自信がない、と思っている方は多いけれど、
不快な自分も、良い自分も皆、自分の体の中の臓器なのだと考えれば、良いというもの。
身体は色んな臓器で成り立っています。
心臓や肺、胃腸、肝臓、腎臓etc・・・ 色んな臓器があってこそ、生きていられるのだし、
それぞれの役割があるのだから、 どれが気に入らないからって、取り出すことはできないですよね。
そう考えたら、どんな臓器でもいないと困るわけです。
ここで私、学生の時に習った恒常性(ホメオスタシス)の話を思い出しました。
恒常性とは、内外部の環境の変化に関係なく、状態を一定に保ち、生存を維持する性質や状態のこと。
具体的には、体温調節や、ウイルスなどの異物を排除しようとしたり、
傷を修復するなど、それはもう、一生懸命に立て直しを図ってくれてるもの。
悪いものから自分を守って、健康を維持しようとする素晴らしい力なのです。
そもそも、自分で回復していく力を皆、持っているということです。
何かが起こった時、自分を元気で良い状態に戻そうとする仕事には、
不快な自分も必要なのです。
大切な自分の応援団なのですね。
悪い虫
日本では、乳幼児の夜泣きや、かんしゃくは、
体の中にいる「疳の虫」が、悪さをするからだ、という言い伝えがありました。
実際に、現代でも虫封じのおまじないや、祈祷をする、お寺や神社もあるようです。
あくまでも、困りごとの原因は「虫がいる」事であり、虫によって夜泣きや癇癪などの問題がおこっているというものです。
だから、退治すれば問題は解決するということですね。
これは、問題の外在化とも言えます。
外在化とは、問題を当事者から切り離し、対象化して問題解決のためにアプローチする方法です。
簡単に言えば、その人自身と問題を切り離すことです。
その子が問題ではなく、虫が子どもに影響を与えているという捉え方ですね。
本人を否定することのない優しい方法といえるでしょう。
また、何が問題なのか?が焦点化されるので、具体的な対策も見つけやすくなります。
大切なのは、捉え方を変えること。
実は、虫は悪者ではなく、成長する過程で必要なもの(見知らぬ人と身近な人を見分けることが出来る、自我が育つ)
と知ることで、疳の虫を退治するのではなく、その虫と上手く付き合っていく術を身に着けることができます。
子どものせいでもなく、親の育て方のせいでもない。
親自身が安心し、落ち着いて子育てに望むことが、子どもにも伝わり、
結果、安定していくという相乗効果を生み出すのです。
誰のせいにもしない、虫退治・・
実は、深くて優しいセラピーに通じるものがあると感じます。

怒り
思春期の子ども達は、親に「心配をかけたくない」「迷惑をかけたくない」それなりに気を使っているようです。
その中には、気をまわしすぎていると感じる子どもが少なからずいました。
1人で何とかするから大丈夫。
これ以上、親には迷惑をかけたくない、という言葉が保健室でも多く聞かれました。
自立と依存の狭間にある時期、特有の課題ともいえるのかもしれません。
ただそこに「ありのままの私ではいけないのだ」という思いが見え隠れすることがあります。
○○ができない自分はダメな子
悪いのは自分
ありのままの自分を認めてもらえることで得られる、安心感を持っている子どもが少ないように感じます。
子どもが、生きるためには親や大人からの世話や愛情が必要です。
とはいえ、その過程では、自分の要求が全て通らない事は当たり前にあります。
親や周囲が子どもの感情や気持ちに寄り添うことで、次第に折り合いをつける力が育っていきます。
問題になるのは、
子どもらしい、ふるまいをすることを禁止される、
甘えたい時に甘える事が許されない、
泣いたり怒ったりの感情を表出することを禁止(抑え込まれる)される等、
自己の存在の否定につながるような、満たされない経験が継続する環境です。
その満たされない思いは、心の奥に、ひっそりとしまいこまれます。
何故なら、親に愛されないと感じることは、小さな子どもにとっては、
生命の存続に関わる危険な状態であり、恐怖でもあるからです。
そこで、子どもは恐怖を感じないために、感情を切り離し、自分に原因があるのだ自分が悪いのだと考えるようになります。
そこには、ひとりではとても抱えきれない不安や悲しみ、惨めさ、寂しさ、無力感、孤独感などが眠っています。
恐怖を感じないようにして、安全に生きるための環境を作るためには、自分を悪者にする方が簡単だったのです。
何とも切ない方法と感じますが、実は、身体に備わる生き残るための戦略でもあるのです。
さて、大人になっても無意識(身体)にしまいこまれた恐れが、人間関係の問題として現れてくることがあります。
親と似たような深い愛着対象(恋人や夫、子どもなど)ができると、抑えこまれていた、この部分が浮上してくることがあります。
私は・・・・
愛されていないのではないか?
見離されてしまうのではないか?
嫌われてしまうのではないか?
過去の恐怖を感じる出来事が再現されることで現れる怒り。
それは、相手に対する攻撃性、自分に対する攻撃性です。
「怒り」の感情は、自分を守るために現れる防衛反応です。
怒りの奥に隠された記憶、思い、気持ちに繋がるためには、まず安心な感覚を内に育てる練習が必要になります。
KIZASHIでは、怒りを入り口に、身体に働きかけるセラピーによってトラウマを安全に開放していきます。
それによって、嫌っていた怒りの感情とも上手に付き合うことができるようになっていくことでしょう。
バイタルサイン
バイタルサインと言えば、医療や介護に関わる方には、わかる医療用語の1つ。
生命兆候を意味するもので、基本として4つの測定がある。
それは、呼吸、脈、血圧、体温。
今日は、その中の呼吸について書いてみようと思う。
気持を落ち着かせる時は、深呼吸をするとか、流行のマインドフルネス瞑想等
呼吸に意識を向ける方法を活用している方も多いかもしれない。
呼吸は、
吸って吐いてのワンセット。
寄せては返す波のようなもの。
それに、ただただ意識を向けていく。
普段は、無意識に行わる呼吸だが、敢えて意識化することで、
心を落ち着かせる方法の1つとなる。
私は、今、どんな呼吸をしているだろう?
今まで、患者さんの呼吸を観察することはあっても、自分の呼吸を感じることはなかった。笑
呼吸を観察することは、自分を観察すること。
自分の中で何が起こっているか?に気づく、始めの1歩ともいえる。
今、ここで起る一瞬の出来事としての呼吸。
空気を取り入れて吐き出すという、単調な繰り返し。
息を吐ききると、次は、自然に息を吸い込んでいることに気づくだろう。
新しい呼吸が始まり、それは、繰り返されていく。
「呼吸」は、生理的な機能、命の源でもある。
生まれたばかりの、赤ちゃんは、お腹の中での生活を終え、
産声をあげることで、自分の呼吸が始まる。
まさしく、この世に生まれた証明ともいえる。
自分の呼吸を意識することは、
「私は今、ここに、存在していること」を確認することでもある。
日常で起る様々な出来事、他者との関係性で起る問題や葛藤、
自分に起る感情に巻き込まれそうな時、
他者と自分を分ける方法として、
自分に立ち戻る方法として、
自分を助けてくれるものとして、
私を確認するものとして、
頼りになる有難いものだと感じる。
あなたは、今、どんな呼吸をしていますか?
ジャッジを手放す生き方
あなたの価値観は何でしょうか。
価値観は、善悪、良し悪し等、物事を判断するときの基準でもあり、
生きる上で大切にしたい信念や考えでもあります。
しかし、長い間に自分で作り上げてきた基準は、案外、親や周囲から刷りこまれてきた事だったりもします。
集団での暗黙のルール、道徳的な基準、
協調性や誠実さ、責任感や思いやり、感謝、等々。
価値観は、時代や環境によっても基準が曖昧になりやすく、
新たな経験や、人との出会い環境によって変化するものでもあります。
人は、自分の言動について良いか? 悪いか?好きか? 嫌いか?正しいか? 間違っているか?
の判断をして日々、過ごしています。
基準から外れている人を目の当たりにした時に、強い怒りを感じることはないでしょうか。
それは、自分が正しく相手が間違っているのだ、という強い思いが現れている時です。
時に、裁く、叩く、傷つけるなど、徹底的に相手を痛めつけたくなる加虐心が現れたりするかもしれません。
それは、相手に対して、あなたの価値観の基準が反応している時。
教えを忠実に守るべきだろう、という思いが現れている時ではないでしょうか。
抑え込んでいる、自分の内の見たくないもの(悪、醜さ、冷たさ)を、無意識に相手に映し出す時とも言えます
どちらにしても、相手に怒りを感じる時点で自分にジャッジしているのです。
わたしは〇で、あなたは×だと。
また、逆もあります。
他者からどう思われるか?比較によって自信を失う、自分の意見を言えない、自責感が強い方は、
自虐的となり、あなたは〇で、わたしは×になりやすいでしょう。
どちらにせよ、相手や自分に×をつけ続ければ互いの距離は遠いままです。
まずは、自分の内の×(否定)に興味を持って、どのような時に、どんな風に×が現れるのか?思い起こしてみましょう。
そうすることで、あなたの内の価値観や基準がわかってきます。
そこに丁寧に触れていくことで、あなたが本当に大切にしたいことがわかるようになり、
生きづらさや窮屈さはなくなり、より自由で身軽な生き方にシフトしていくことでしょう。



