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お気にいり
私が、好んで見るテレビ番組。
それは、衛星写真に写る、日本各地の人里離れた場所にある建物を、
実際に訪れて探していく、というアレだ。
(最近は、個人情報保護に対する疑問等、色々言われているようですが・・)
人里離れた山奥に、一体どんな家があるのだろう?
ほんとに人は住んでるの?空き家?
最初は、そんな好奇心から見始めた。
目的の場所に向かうため、まずは、最寄りの集落で聞き取り調査を行う。
人気番組の効果?か土地柄か、仕事中でも手を止めて、快く聞き取りに応じる人々。
中には、自分ではわからないから・・・と、別に詳しい方を呼んできたりもする。
更には、自ら案内役を買って出る方も多い。
そこには、ゆったりとした時間が流れている感覚がある。
たどり着くまでの道のりも、これまたハラハラさせられる。
舗装されていない曲がりくねった山道や、
対向車が来たら、どうしよう・・と心配になる位の細い道、
ガードレールもなく続く道の脇は、すぐ崖!!だったり、
道路には落石が転がっていたり、と
何しろ、とんでもない道を進んで行くのだ。
この時点で、すっかり自分が探検隊にでもなった気分。
ひやひや、ドキドキしながら、目的地を目指す。
困難を乗り越えて、ようやく到着!!
ホッとすると同時に、次は住人の確認だ。
せっかく訪ねても、実際には、空き家や廃墟だったりすることもある。
(個人的に廃墟、好きです。)
そんな時には、他のポツン・・を紹介してくれたりもして、
更なる目的地を目指して、また進んで行くことになる。
そんなこんなで、
ようやく、その家の主にお会いすることができた時は、こちらもホッと一安心。
さあ、ここからが本番!!
どんな人が、どのような理由でそこに暮らしているのか?
その人の生きてきた人生の物語に触れていく時間となる。
人それぞれ様々な物語があるが、
人里離れた場所での生活に、不便さと困難を抱えながらも、
生まれ育ったこの場を離れることをしない、
というより、
離れること自体考えられない、というのが皆さんの本音のようだ。
高齢になっても、子ども達が離れても、今は山を下りて暮らしていても、
その方にとっては、ただ生まれ育った場所にいるのが当たり前、ということのようだ。
誰かと一緒でも、誰かがいなくなっても、一人でも、
ただ生きていく。
それは、当たり前の日常、暮らしの風景でもある。
人生の物語を作るのはいつも自分。
傍から見れば、信じられない事であっても、
その人にとっては、特別なものでもない。
生きるということが、今のそのままあるだけ。
そのシンプルで自然な姿に、何故か、ふと懐かしさのようなものを感じたりもする。
本来、人間の持つ強さや逞しさにも触れる気がして、何だか元気になる。
たとえポツンと、であっても、大自然と人、人と人が繋がって、同じ時を生きている。
そんな自然な結びつきに心惹かれるから、つい見たくなってしまうのかもしれないな。