ゲシュタルト療法
ゲシュタルト療法とは?
ゲシュタルト療法は、「自分を変えよう」とするのではなく、「ご自身の体験に触れることで現れる気づきによって、全体性を取り戻し、自然な変化を生み出す」心理療法です。
特徴1:ココロとカラダの「ホメオスタシス(恒常性)」
人間の身体には、暑いと汗をかき、喉が渇けば水を求めるように、常に良い状態を維持しようとする性質(ホメオスタシス)があります。
ゲシュタルト療法では、精神面でも同じ作用が働くと考えます。

子どもの場合: 悲しい時に思い切り泣くことで、高まった感情を自然と発散できます。
大人の場合: 成長するにつれ、感情を出すことが妨げられやすくなります。
「なぜ妨げられているのか?」という原因追究ではなく、「今、どのように妨げられているか?」への気づきを大切にします。
何かに当てはめたり分析したり解釈するのではなく、いまここで実際に何が起こっているのか?を実際に体験することで起こる気づきによって、真実の自己のあり方生き方を目指す、実存主義や現象学といった哲学的背景を持った心理療法です。
特徴2:「図と地」の入れ替わり(図地反転)
ゲシュタルトとは、ドイツ語で「かたち」「全体性」という意味です。
ゲシュタルト心理学の「図と地」という枠組みが、ゲシュタルト療法の重要な概念となっています。
欲求と感情の仕組みを「図と地」の関係で説明します。
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「図」= いま最も強く感じている欲求(前景)
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「地」= バックグラウンドにある背景情報(背景)
💡 図地反転の例(ルビンの壺)

見る角度によって「壺」にも「向かい合う二人の横顔」にも見える有名な絵(ルビンの壺)のように、人は同時に2つのものに焦点を合わせることはできません。
私たちには、様々な欲求があります。(生存から自己実現に至るまで)
欲求が満たされると、それは背景(地)へ退き、新しい欲求(図)が現れます。
しかし、不完全なままの心理的欲求・生体反応(身体・脳の反応)トラウマがあると、何に悩んでいるのか分からず混乱したり、身体の不調や悩みとなって現れたりします。
体験していることを表出するプロセスによって、ゲシュタルトが完成し円滑に欲求の図地反転が起こるようになります。
主なワーク(技法)の紹介
1. エンプティチェアのワーク

空の椅子や座布団を使って、普段は意識されない様々な感情や、内にある多様なキャラクター(サブパーソナリティ)を対話させてみます。現れるものに、良い悪いの判断をせず、体の感覚に留まることで気づきを得ます。
ゲシュタルト療法は、人を単なる部分の寄せ集めとしてではなく、それ以上の性質や機能を持つもの(全体性)として捉えるので、普段は殆ど注意をむけることのない、「地」の部分にある潜在的な可能性や回復能力、エネルギーを重要視します。
一般的に敬遠されがちな感情や思いなども、セラピーの場で体験することを提案します。
また、非言語的に現れる身体の姿勢や症状などを重視します。
2. 夢のワーク
夢に登場する人物・動物・植物などは、すべて「自分の心の一部(フィギュア)」と考えます。
登場人物になりきって会話を進めることで、夢からのメッセージを紐解いていきます。